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2024/08/16

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【DAY2 FORTNITE バトルロイヤル部門レポート】全国大会グランドファイナル 「高校生日本一」になるのは誰だ!?

※本記事は「僕たちがゲームに人生を賭ける理由」著者の涌井様より寄稿いただきました。

■eスポーツ競技の発展と世界で活躍する日本人選手の輩出を目指し、2019年よりスタートした国内最大級の高校対抗eスポーツ大会「STAGE0」。今年で6回を数える「高校生日本一」を決める大会が、810日~12日の3日間、六本木グランドタワー1F 駅前広場を会場に行われた。

今回、「高校生日本一」をめざして全国から大会にエントリーした高校生は2,322チーム、総勢7,692名(過去最多)。そのDAY2811日(日)に行われたFORTNITE(バトルロイヤル部門)の全国大会グランドファイナルの様子を、「僕たちがゲームに人生を賭ける理由」(8/7小学館より発売:「STAGE0」公認のeスポーツ小説で、主人公たちが「STAGE0 FORTNITE(バトルロイヤル部門)」での日本一を目指す物語)著者の涌井がレポートする。

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FORTNITEは、舞台となる島の中で、建築(ビルド)と武器による攻撃を駆使して相手チームを倒し、ただ1組の勝ち残りをめざすシューティングゲームだ。今大会の場合は、6月に884チームの参加の上で行われたブロック代表決定戦を勝ち抜いた44チーム(88名)が1つの島に集まり、他の43チームと戦って、最後の1組の勝ち残り(ビクトリーロイヤル)をめざすことになる。

フォートナイトでプレイヤーに求められるのは、戦局を読む頭脳と反射神経(「僕たちがゲームに人生を賭ける理由p.47」)だ。得点は、各ラウンドで「どこまで勝ち残ることができたか(順位。最後まで残ったビクトリーロイヤルが最高得点で、以下、二組目、三組目と得られる得点が下がっていく)」と、「何人倒したか(エリミネートポイント。相手を倒した数)」(「僕たちがゲームに人生を賭ける理由p.210」)で決まる。

そしてこの競技は、同じ高校に在学中の2名がデュオ(21組)を組んで参加する。つまり、優勝して日本一の座をつかむには、頭脳と反射神経、そして経験に加え、パートナーとの連携が求められるのだ。

5つのラウンドで最大得点を得たチームが、今日、日本一となる。

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■フォートナイト部門の実況は平岩康佑さん、解説はPolsさんだ。
競技がはじまる前に、Polsさんから注目選手として挙げられたのが、ルネサンス(東京)のAJS shelomfv(しぇろん)選手だ。shelomfv(しぇろん)選手は、予選大会で5連続ビクロイを獲得し、圧倒的1位で通過した。現役高校生にしてフォートナイト世界大会(FNCSグローバルチャンピオンシップ)で世界5位を取ったという強者だ。今大会では、同じくルネサンスのNature Taylerfv(ていらー)選手とデュオを組んで、しぇろんていらーとして出場する。

■「STAGE0」フォートナイト部門も6回目の開催となり、年々そのレベルは上がっている。「小学生の時に『STAGE0』をテレビで見て、ずっと出場したかった」という選手も現れるなど歴史の蓄積も始まっているようだ。Polsさんによると、「こういうレベルの高い大会になると、勝ち残るためには、遠距離での撃ち合いが重要になる」とのこと。

 ROUND1Polsさんの解説の通り、遠距離でのエイム合戦が多く見られた。ハイレベルな攻防の末、最後の2チームに残ったのはルネサンスのしぇろんていらー(Taylerfv(ていらー)選手)と札幌新陽の食べられないリリー(ODD泥沼選手)。撃ち合いによる直接戦闘ではなく、互いに離れた場所でストーム(安全地帯外にいる選手に強制的に与えられるダメージ)の直撃を受けつつも、持っているアイテムで体力を回復し、「どちらが先にアイテムを使い果たし、力尽きるか」の勝負となった。結果、勝ち残ったのはしぇろんていらーのTaylerfv(ていらー)選手。まさかの「回復アイテムでの耐久戦」という展開に、会場では悲鳴のような歓声が上がった。

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 ビクトリーロイヤル:ルネサンス(東京都)しぇろんていらー
 2位:札幌新陽(北海道)食べられないリリー 

ROUND2:資材を使って建築を行い、各選手が高いところ(ハイグラウンド)を抑えようとする展開に。第1ラウンドでビクロイを獲得したしぇろんていらーに注目が集まるが、残り3チームの時点でしぇろんていらーが両名ともダウン。

 高所から低所の相手を狙うのはバトロワの鉄則! なぜなら下から上は視界も行動範囲も狭いけど、上から下ならまわり全体が見渡せるし狙いが付けやすいから!(「僕たちがゲームに人生を賭ける理由p.234」より)

 ハイグラウンドの取り合いを制して、最後はクラーク記念国際のトモマツアサト(ASJ rqzr1meyk選手)がビクロイを獲得した。

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 ビクトリーロイヤル:クラーク記念国際(北海道)トモマツアサト
 2位:N高(沖縄県)ねねき 

ROUND3:優勝者は総得点で決まるため、この第3ラウンドあたりからは、ビクロイ狙いだけではなく、「相手をどれだけ倒したか」のエリミネートポイントを狙うことで得点を稼ごうとする選手が多くなる。つまり、戦いは激しくなる傾向にある。第2ラウンドと同様にハイグラウンドの取り合いとなり、大方のチームが資材不足に疲弊しはじめたタイミングを見越してしぇろんていらーが一気にハイグラウンドへ。くりぃむぎを撃破し、2度目のビクロイを獲得した。

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 ビクトリーロイヤル:ルネサンス(東京都)しぇろんていらー
 2位:ルネサンス(東京都)くりぃむぎ 

ROUND4:この時点で、獲得得点は、1位しぇろんていらー(230点)、2位めいべる(176点)とかなりの差が生じているように見える。だが、残りは2ラウンド。ビクロイを獲れば65ポイント、1エリミネート(一人倒す)毎に2ポイントが得られるため十分に逆転の目がある。ルネサンスのだいらにが建築をくり返しハイグラウンドを取ろうとするが、別チームによってことごとくそれを阻止される。残り9チームほどとなった時点で、だいらにの建築資材が尽きた絶妙のタイミングでしぇろんていらーが一気にハイグラウンドへ。耐久勝負でN高めいべるのKIT Stl Meip(めい)選手に競り勝ち、圧巻の3度目ビクロイ獲得となった。

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 ビクトリーロイヤル:ルネサンス(東京都)しぇろんていらー
 2位:N高(沖縄県)めいべる 

■ここで小休止。ステージイベントが行われた。大人気女性VTuberグループ「ホロライブ」の常闇トワさん・獅白ぼたんさんと、競技に出場している高校生による、スペシャルトークイベントだ。

ROUND5:いよいよ最終ラウンド。この時点で1位しぇろんていらー(309点)、2位めいべる(238点)。「優勝は妥当にしぇろんていらーか」という空気のなか、まさかのラウンド序盤でしぇろんていらーのTaylerfv(ていらー)選手がダウン。shelomfv(しぇろん)選手がソロとなる。続いて現在2位のめいべるのMeip(めい)選手もまさかのダウン。総合1位と2位のチームがラウンド序盤でそろって相方を失い、ソロでの戦いを余儀なくされるという異常事態に陥った。デュオでのチーム戦を前提としている今大会で、一人での戦いは圧倒的に不利。ラウンドでの勝ち点を少しでも得るには終盤まで残らねばならないため、shelomfv(しぇろん)選手、めいべるのLYNX TakoBel(たこべる)選手とも、生き残るための「守り」に徹する。別チームに見つかりにくいエリア端を移動するなど隠密じみた行動に努めるも、ストームサージの直撃を受けて、残り18チームの時点でshelomfv(しぇろん)選手がダウン。残り9チームではTakoBel(たこべる)選手もダウンとなり、総合1位と2位のチームのまさかの早期離脱に会場のボルテージが一気に上がる。ビクロイ争いは、ここまで一度もビクロイを獲っていないS高べあぐらーるとN高とらとられんむZの2対2に。後のインタビューで「思い切って動いた」というべあぐらーるのPeterbear 874選手の一撃で、見事ビクロイ獲得となった。

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 ビクトリーロイヤル:S高(茨城県)べあぐらーる
 2位:N高(沖縄県)とらとられんむZ

 ■最後に大波乱があったが、5ラウンドにわたる熱戦を制し、日本一の座を勝ち取ったのはしぇろんていらー。世界レベルの実力を持ったTaylerfv(ていらー)選手が破顔し、「めっちゃ嬉しい」を5度も6度も口にしていた姿が印象的だ。

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shelomfv(しぇろん)選手は、第5ラウンド序盤でTaylerfv(ていらー)選手がダウンし、ソロでの展開を迫られたことに対し、「一人で生き残ろうと思った」と言い、Taylerfv(ていらー)選手は、「(ビクロイを競う瞬間よりも何よりも、一人で生き残ろうとしている)shelomfv(しぇろん)を見ていた時が一番緊張した」と語った。

ここに二人のチームとしての信頼と絆が見えた気がする。Taylerfv(ていらー)選手が託し、shelomfv(しぇろん)選手は託された。だからshelomfv(しぇろん)選手はそれに応じ、誇りをもって岩陰に忍び、必死に生き延びたのだ。ゲームの強さだけではない、彼らの強さと美しさがここに光っていたように思う。

 【最終結果】

1位 ルネサンス チーム名:しぇろんていらー 総合ポイント 325
2位 N チーム名:めいべる  総合ポイント 268
3位 N チーム名:ねねき  総合ポイント 256


特別賞 神エイム賞(撃破ポイントを最も多く獲得したプレイヤーを表彰)
Peterbear874選手  S高(茨城県)チーム名:ベアグラール 

■「STAGE0」公認のeスポーツ小説「僕たちがゲームに人生を賭ける理由」の中で、「STAGE0」での優勝をめざす高校二年生のブリキは言っている。

本気でゲームをしているって胸を張って言える
ぼくがぼくのままでいられる場所があって、本当に良かった
(「僕たちがゲームに人生を賭ける理由p.243」より)

好きを誇り、挑む姿は美しい。
彼ら高校生たちがゲームに人生を賭けて挑む理由は、ここにあるのかもしれない。

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文:涌井 学(「僕たちがゲームに人生を賭ける理由」著者)

著者プロフィール

涌井 学(わくい・まなぶ)
一九七六年神奈川県生まれ。『岳 -ガク-』『ALWAYS三丁目の夕日'64』『映画 謎解きはディナーのあとで』『世界からボクが消えたなら』『ブラック校則』『小説 映画ドラえもん のび太の新恐竜』『前科者』など、映像作品やコミックのノベライズを多く手がける。ほかの著書に、イリュージョニストHARAの半生を描いたオリジナル小説『マジックに出会ってぼくは生まれた』がある。

リンク:

特設サイト:https://dps.shogakukan.co.jp/whywebet
書籍紹介ページ:https://www.shogakukan.co.jp/books/09386731

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